高血圧

高血圧は、もっとも身近な生活習慣病のひとつです。
血圧は日々変動するため、「今日はちょっと高いけど、大丈夫だろう」と放置してしまう方も多いのですが、実はこの「ちょっと高い」が繰り返されることに問題があります。
高血圧が続くと、血管に負担がかかり、脳梗塞や心筋梗塞、腎臓病などのリスクが一気に高まります。しかも、自覚症状がないまま進行するため、気づいたときには合併症が起きていることもあるのです。

塩分の摂りすぎや運動不足、ストレス、遺伝など、原因はさまざまですが、まずはご自身の血圧を知ること、そして必要であれば生活指導や内服治療を始めることが、未来の健康への第一歩となります。

脂質異常症

「コレステロールが高い」「中性脂肪が多い」と言われたことはありませんか？これが脂質異常症です。
脂質異常症もまた、自覚症状がほとんどありません。しかし、放置すると血管の壁に脂がたまり、動脈硬化を引き起こします。これは、心臓や脳の血管に関わる重大な病気の原因になります。
脂っこい食事や甘いものの摂りすぎ、運動不足、そして遺伝的な体質も影響します。「健康診断で指摘されて以来、何もしていない」という方も多いですが、ぜひ一度、医師と一緒に対策を考えてみましょう。

糖尿病

糖尿病は「血糖値が高い状態が続く病気」です。軽度のうちは自覚症状が乏しく、「ちょっと疲れやすい」「喉が渇く」程度の変化に留まることもありますが、進行すると神経障害、腎障害、網膜症など深刻な合併症を引き起こします。

さらに、糖尿病の恐ろしさは、血管へのダメージが全身に及ぶ点です。つまり、目・腎臓・心臓・脳・足と、体のどこに症状が出てもおかしくありません。
日頃の食生活、運動習慣、体重管理が大切ですが、それに加えて血糖値やHbA1cといった数値を定期的にチェックすることが重要です。医師の指導のもとで、予防や早期発見・早期治療を目指していきましょう。

高尿酸血症

「尿酸値が高い」と聞くと、多くの方が「痛風」を思い浮かべるかと思います。たしかに、関節に強い痛みを引き起こす発作は印象的ですが、実はそれだけではありません。
高尿酸血症は、腎臓に結石を作ったり、腎機能を悪化させたりするリスクもあります。さらに、動脈硬化との関係も指摘されており、生活習慣病全体の一つとして無視できない存在です。

プリン体の多い食品の摂取やアルコールの過剰摂取が関係することも多いため、生活習慣の見直しがポイントとなります。まずは血液検査で尿酸値を確認し、必要に応じて治療を始めていくことが大切です。

骨粗鬆症

少し意外に思われるかもしれませんが、骨粗鬆症も生活習慣に大きく関わる病気のひとつです。特に高齢になると転倒・骨折が命に関わるリスクになるため、早めの対策が重要です。
カルシウム不足や運動不足、日光を浴びる機会の少なさ、そして閉経後の女性ホルモンの低下など、複数の要因が絡みます。また、糖尿病や内分泌疾患が骨粗鬆症のリスクを高めることもわかっています。

内科では、骨密度検査や血液検査を通じて早期発見を目指し、適切な運動・食事指導、必要であれば薬物療法も行っていきます。

内分泌・甲状腺疾患

内分泌疾患や甲状腺の病気は、体のバランスを司るホルモンに異常が起きることで、さまざまな症状を引き起こします。
例えば、甲状腺の働きが過剰になると、動悸や発汗、体重減少などが現れます。逆に、働きが低下すると、だるさ、むくみ、寒がりといった症状が出てきます。
これらの症状は一見すると「年のせいかな」「疲れているだけ」と見過ごされやすいのですが、しっかりと検査をすれば原因が明らかになります。特に女性に多い傾向があるため、気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。