2025年8月21日

【はじめに】
「健康診断で“腎機能が少し低下しています”と言われたけれど、体調は特に悪くないし放っておいても大丈夫かな…」
そんなふうに思ったことはありませんか?
腎臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるほど、病気が進行しても症状が出にくい臓器です。
そのため“腎機能の低下”は早期発見・早期対応がとても重要です。
慢性腎臓病(CKD)とは?
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、腎機能が徐々に低下していく状態で、以下のいずれかが3か月以上続く場合に診断されます:
尿タンパクが出ている(腎障害の指標)
eGFR(推算糸球体濾過量)が60未満(正常は90以上)
放置して進行すると、人工透析が必要になる末期腎不全に至ることもあるため、早期の対応がカギとなります。
慢性腎臓病の原因|これだけあります!
① 生活習慣病に由来するもの
高血圧性腎症:血圧が高い状態が続くと、腎臓の血管が硬くなり機能が低下します
糖尿病性腎症:高血糖が腎臓の細かい血管(糸球体)を傷つけ、徐々にろ過能力が失われます
脂質異常症・メタボリックシンドローム:血管障害を通じて腎臓に悪影響を及ぼします
② 腎臓そのものの病気
慢性糸球体腎炎(IgA腎症など):免疫異常により糸球体に慢性的な炎症が起きます
間質性腎炎:薬剤アレルギーや感染、自己免疫などにより、尿細管間質が障害される疾患
多発性嚢胞腎(遺伝性):腎臓に多数の嚢胞ができ、加齢とともに腎機能が低下します
腎盂腎炎の繰り返し:慢性的な尿路感染が腎臓にダメージを与えます
③ 薬剤や中毒性によるもの
鎮痛薬の長期使用(NSAIDs)
抗生物質(アミノグリコシド系など)
造影剤(CT検査時など)
漢方薬の一部(例:含マオウ製剤)
鉛やカドミウムなどの重金属中毒
④ 尿路系の問題に伴うもの
前立腺肥大症による尿閉
尿管結石による尿路閉塞
膀胱機能障害(神経因性膀胱など)
これらがあると、尿の流れが滞り、腎臓に逆流や圧がかかって機能が低下する「腎後性腎不全」の原因になります。
⑤ その他のリスク因子
加齢:年齢とともに腎機能は徐々に低下します
脱水・感染症:一時的な腎機能低下を引き起こすことがあり、それがきっかけになることも
喫煙:腎臓の血流を悪化させる要因
過度のたんぱく質摂取:腎臓に負荷をかける食生活
初期対応のポイントとは?
検診で「腎機能低下」と言われたら、以下の対応が重要です:
1正確な評価のために再検査を受ける
→ 検診はあくまでスクリーニング。必ず医療機関での再確認を!
2血圧・血糖・コレステロールをコントロール
→ 慢性腎臓病の進行を食い止める三本柱です。
3塩分・たんぱく質の摂りすぎを控える
→ 腎臓に負担をかけない食事指導が必要です。
4市販薬(NSAIDsなど)の乱用を避ける
→ 鎮痛薬の長期使用は腎機能に悪影響を与えることがあります。
【まとめ】
健康診断での軽微な変化も、“将来の透析リスク”を減らすための大事なサインです。
当院では、腎機能の再評価、生活習慣指導、必要な場合には専門医との連携も行っています。
「ちょっと気になる」と思ったら、早めにご相談ください